ブログ

フィラリアについて

2021.08.30

みなさんこんにちは!

 

このブログではワンちゃんや猫ちゃんの病気や健康管理についてなどの情報を定期的にご紹介していきます。

ぜひチェックしてくださいね!

 

今回は「フィラリア予防」についてお話しします。

 

お家にワンちゃんがいるご家庭では、フィラリア予防のお薬を飲ませたり

注射で予防されている方もいらっしゃるかと思いますが

この「フィラリア」とは一体何なのか

かかると体にどのような悪影響を及ぼすのかご存じですか?

 

 

フィラリアというのは、蚊が媒介(運び屋を)することにより犬や猫の心臓や肺の血管に寄生する寄生虫です。

この寄生虫が体内に寄生してしまうと、心臓や肺の血管を住処にして子供を作りどんどん増殖していきます。

 

これにより、心臓や肺の働きに悪影響を与え

咳や元気消失、血尿や貧血、下腹部膨張などの症状を引き起こします。

これを「フィラリア症」と言います。

 

フィラリア症は重篤化すると、呼吸困難・心不全などを起こし最悪死に至るとても怖い病気です。

 

フィラリアに感染してしまうのは犬だけと思われている方も多いかと思いますが

猫もフィラリアに感染してしまうことがあります。

猫の場合、感染すると咳などの症状が現れて、突然死してしまう事もあります。

 

 

フィラリア の成虫が重度寄生してしまい緊急を要する場合

フィラリアの成虫を特殊な器具で釣り出す外科手術を行うケースがあります。

しかしこれは、とてもリスクを伴う手術です。

下の写真は、手術によってつり出されたフィラリアの成虫です。

 

 

 

 

こんなミミズのような寄生虫がワンちゃんの体内に寄生するなんて…

ゾッとしますよね。

 

このフィラリアの成虫は、抗原検査によって現在すでに寄生しまっているかどうかを調べることができます。

 

こちらは、フィラリア抗原検査の結果が陰性の写真です。

C(コントロール)の下にのみ線が出ています。

この線が出ていると、ちゃんと検査ができているという印になります。

 

 

こちらは、フィラリア抗原検査の結果が陽性の写真です。

C(コントロール)の下と、T(テスト)の下にも線が出ています。

この線が出ると、フィラリアに感染しているという判定になります。

 

 

宮古島ではこの検査をすると、フィラリア予防をしていない犬は高い確率で陽性反応が出ます。

これは、宮古島にはフィラリア予防をしていない飼い犬や野良犬などが多いことが原因に挙げられます。

東京や大阪などにも蚊はいますが、感染している犬が宮古島よりも少ないのは

大多数の飼い犬が毎年しっかりとフィラリア予防を行なっているからです。

 

 

感染ルートを説明すると、まずは既にフィラリアの成虫が寄生してしまっている

犬や猫を吸血した蚊がフィラリアの赤ちゃんの運び屋となり

別の犬や猫を吸血した時にフィラリアの赤ちゃんが体内に侵入します。

その後2〜3ヶ月かけて成長をしながら皮下組織・筋肉を通過して血管内に侵入します。

その後も成長しながら血管内を進み、心臓や肺の血管に到達する頃には成虫となります。

 

フィラリアの赤ちゃんを運んでいる蚊の多い宮古島では予防していない犬は

高確率で感染してしまうということになります。

 

フィラリア予防薬は、この赤ちゃんフィラリアを駆虫する働きを担っています。

ですので、フィラリア予防をしていても蚊には刺されますし

フィラリアの赤ちゃんが体内に侵入してしまうことがあるかもしれませんが

血管内に侵入する前に駆虫することができれば

フィラリアの成虫が体内に寄生してしまうことを防ぐことができるのです!

これが、フィラリア予防の目的となります。

 

フィラリア症になってしまう前にワンちゃんも猫ちゃんもしっかり予防をして

感染させない事が本当に重要となります。

 

宮古島は温暖な気候のため、年中蚊がいるのでお休みしないでずっと予防する必要があります。

 

月に1度の投薬・または年に1回の注射で予防して大切なワンちゃん、猫ちゃんを

フィラリア症から守りましょう!

 

 

予防方法等、ご不明点があればお気軽に病院スタッフまでご質問ください。

 

ページトップへ